* グランドポテンシャル [#e4cfa3b9] ** 定義 [#lb385e24] \[ \Omega\equiv U-TS-\sum_i\mu_i N_i \Omega\equiv U-TS-\sum_i\mu_i N_i=F-\sum_i\mu_i N_i \] 文献によっては$\Phi$で表す場合もある。 文献によっては$\Phi$や$J$で表す場合もある。 ** 等温・等化学ポテンシャル過程 [#d220e9ab] 外部から系に与えられる熱量を${\rm d}'Q$、仕事を${\rm d}'W$とすると \[ T{\rm d}S\ge{\rm d}'Q={\rm d}U-{\rm d}'W-\sum_i\mu_i{\rm d}N_i\qquad \therefore {\rm d}U-T{\rm d}S-\sum_i\mu_i{\rm d}N_i\le {\rm d}'W \] いま温度と化学ポテンシャルが一定に保たれる過程を考えると \[ {\rm d}\Omega={\rm d}\left(U-TS-\sum_i\mu_iN_i\right)\le {\rm d}'W \] よって等温・等化学ポテンシャル過程に伴う系のグランドポテンシャルの変化${\rm d}\Omega$は、外部から系に与えられた仕事${\rm d}'W$を超えない。 特に外部から与えられた仕事がゼロの場合 \[ {\rm d}\Omega\le 0 \] すなわち温度・化学ポテンシャル一定の下で、系はグランドポテンシャルが減少する方向に自発的に変化する。 ** 反応エネルギーの計算 [#n5ea961f] 温度・化学ポテンシャル一定の下で起きる反応の前後で内部エネルギー、エントロピーおよび粒子数の変化$\Delta U,\Delta S,\Delta N_i$を計算し、次式で反応エネルギーを求める。 \[ \Delta\Omega=\Delta U-T\Delta S-\sum_i\mu_i\Delta N_i \] 特に絶対零度$T=0$の場合は \[ \Delta\Omega=\Delta U-\sum_i\mu_i\Delta N_i \] のように簡単化される。