従来のSTATEではGGA等で収束させた電荷密度と原子配置を用いてvdW-DFの非局所相関エネルギーを計算していましたが、STATE 5.5.4では直接vdW-DFを用いて電荷密度と原子配置の収束計算が行えます。
オリジナルのvdW-DFでは二重積分の計算にO(N^2)の計算コストがかかり、
特に大きな系への適用が困難でしたが、
Román-PérezとSoler*1のアルゴリズムを用いると計算コストをO(NlogN)に抑えることが可能です。
ここではRomán-PérezとSolerの方法を簡略化したWuとGygi*2の方法を用いて実装を行いました。
xctypeとして以下のいずれかを選択すると種々のvdW-DFが利用できます。
xctype | Zab | Exchange | Reference |
vdw-df または drsll | -0.8491 | revPBE | M. Dion et al., Phys. Rev. Lett. 92, 246401 (2004) |
vdw-df2 または lmkll | -1.887 | PW86R | K. Lee et al., Phys. Rev. B 82, 081101(R) (2010) |
c09 または c09-vdw または drsllc | -0.8491 | C09x | V. R. Cooper, Phys. Rev. B 81, 161104(R) (2010) |
c09-vdw2 または lmkllc | -1.887 | C09x | |
optpbe または optpbe-vdw | -0.8491 | optPBE | J. Klimeš et al., J. Phys.: Cond. Matt. 22, 022201 (2010) |
optb88 または optb88-vdw または kbm | -0.8491 | optB88 | J. Klimeš et al., J. Phys.: Cond. Matt. 22, 022201 (2010) |
optb86b または optb86b-vdw | -0.8491 | optB86b | J. Klimeš et al., Phys. Rev. B 83, 195131 (2011) |
rev-vdw-df2 または lmkllh | -1.887 | B86R | I. Hamada, Phys. Rev. B 89, 121103(R) (2014) |
プログラムからkernelのテーブルのファイルを読み込むため、
STATE/src/vdwdphi.dat
にデータを置いて、実行ディレクトリにリンクを作ってください。