以下では、吸着系など、原子数が大きく、なおかつ全ての原子の変位を考慮しない場合の計算の進め方を紹介します。
方針としては
util/Vibrationにあるgenfvibというプログラムを以下のように実行します。
genfvib -natm 2 > nfvibrate.data
ここで-natm 2というオプションは2つの原子を変位させることを意味しており、各原子について+x, -x, +y, -y, +z, -z方向への変位を指定するnfvibrate.dataを生成します。デフォルトの変位は0.01 Bohrです。変位の振幅を変えたいときは-dというオプションを使用します。
原子の指標は1から原子数まで連続的に生成されますので、原子のインデックスが連続しない場合には適宜nfvibrate.dataを変更して下さい。
まずは振動計算のオプションを指定せずに
WF_OPT DAV
を使用して通常のSCF計算を実行します。
次に新しい入力ファイルを用意します。そこでは
RESTART WF TASK VIB WF_OPT RMM NLPROJ REAL
を指定します。
また大規模系の場合、考慮したい原子変位の計算が一度の計算ですべて終わることは無いでしょう。
その場合、上の
RESTART WF
は
RESTART
に変更して計算を継続すると良いでしょう。